頭から駐車は危ない|出庫時の死角と自損事故を減らす考え方【習慣⑨】

SAFE DRIVE LABの運行管理者カズです

今、リアルが忙しくて更新が少し減っていますが、今後も元気に安全運転について発信していきます。

変わらぬ応援、どうぞ宜しくお願い致します。

人は忘れる前提で運転しなければならない

運転に慣れてくると、どうしても「さっき見た」「分かっている」「大丈夫だったはず」という感覚で車を動かしてしまう事があります。

ですが、現実はそんなに甘くありません。

人は忘れます。

しかも、運転中は忘れた瞬間に事故へ直結する事があります。

先日、実際にあった事案です。

駐車場へ車を停めて休憩を取り、その後発進した際、前方に縁石がある事を忘れたままそのまま乗り上げ、自損事故になりました。

結果としてシャフトを損傷し、修理費用は10万円を超える見込みです。

たかが縁石です。

ですが、その「たかが」が車両にとっては大きな損傷になる事もありますし、何より問題なのは、運転者本人が直前まで危険を認識していなかったという点です。

見えていなかったのではなく、忘れていた。

ここが非常に重要です。

だから私はよく言います。

運転は、覚えている前提ではなく、忘れる前提で行動しなければならないと。

頭から駐車は、楽に見えてリスクを後ろへ回しているだけ

今回のような事案を防ぐうえで、まず一番重要なのは、頭から駐車する事を避ける意識です。

もちろん、すべての駐車場で自由に選べる訳ではありません。

バック駐車を禁止している場所もありますし、構造上どうしても頭から入れざるを得ない場合もあります。

ですが、そうではない駐車場であれば、基本はバックで駐車する事を心掛けて下さい。

なぜか。

理由は単純です。

出庫時の方が、入庫時より危険だからです。

頭から駐車する人の多くは、「入れる時の方が楽だから」「急いでいるから」「すぐ停められるから」という感覚で頭から入れます。

確かに、入庫だけを見れば頭から入れる方が早い場面はあります。

ハンドル操作も単純で、前進のまま入っていけるので心理的にも楽です。

ですが、それはその場しのぎの楽さです。

本当に見るべきなのは、車を停めた瞬間ではなく、その後どうやって安全に出るかです。

頭から駐車するという事は、危険な工程を出庫時に残しているという事です。

しかも、その出庫時は休憩後、買い物後、用事を済ませた後など、一度運転の流れが切れている事が多い。

集中も切れていますし、周囲の状況も入庫時と変わっている事が珍しくありません。

だから危ないんです。

バック駐車のメリットは「危険な場面を先に終わらせる事」

バック駐車の最大のメリットは、危険度の高い操作を入庫時に済ませておける事です。

入庫時というのは、今まさにその駐車場所へ入ろうとしている場面ですから、運転者はその区画や周囲の状況を認知しながら動いています。

左右の車両、白線の位置、壁、柱、歩行者の有無、車止めの位置などを確認しながら、慎重にバックしていく事になります。

つまり、危険を見ながら、意識がある状態で難しい操作をしている訳です。

これが大きい。

一方で、バック駐車をしておけば、出庫時は前進で出られます。

前進で出るという事は、自分の視界で確認しやすく、進行方向の安全確認もしやすいという事です。

左右の見通しも取りやすく、ハンドル操作にも余裕があります。

駐車場内では歩行者が急に出てくる事もありますし、小さな子ども、自転車、買い物カートなど予測しづらい動きも多いです。

そういう環境で、死角の多いバック出庫を避けられるのは非常に大きなメリットです。

要するにバック駐車は、停める時に少し手間を掛ける代わりに、より危険な出庫時を安全に変える行動なんです。

頭から駐車する事のデメリットは想像以上に多い

頭から駐車する事のデメリットは、今回の縁石事故だけではありません。

まず一つ目は、前方の障害物を忘れやすい事です。

車止め、縁石、低いポール、植え込み、段差。

頭から入庫した時には見えていても、休憩や用事を挟んだ後、出庫時には意識から抜けている事があります。

特に前進でそのまま入っていると、「前に何があったか」を強く記憶しないまま停めてしまう事もある。

そして再発進時、アクセルを軽く踏んだだけのつもりでも、思っていた以上に前へ出てしまう。

その結果、縁石へ乗り上げたり、車止めに接触したり、自損事故になる。

これは実際に起きています。

二つ目は、出庫時の死角が多い事です。

頭から停めた車をバックで出す場合、左右に車が停まっているだけで一気に見えづらくなります。

後方の安全確認をしているつもりでも、実際は車体の影になって見えていない範囲がかなりあります。

そこへ歩行者や自転車が入ってきた時、発見が遅れます。

気付いた時にはヒヤッとする距離だった、というのは珍しくありません。

三つ目は、焦りやすい事です。

バックで出ている時、後ろから別の車が来る、左右に待っている車がいる、通路が狭い、歩行者が見えた。

そういう状況になると、運転者は余計に焦ります。

焦ると確認が雑になります。

雑になると接触リスクが上がります。

運転は、焦った側が負けます。

だからこそ、最初から焦りやすい出庫方法を選ばない事が大切なんです。

「停めやすい」ではなく「出やすい」で考えて下さい

駐車の考え方で大事なのは、今この瞬間の楽さではありません。

停めやすいかどうかだけで判断しない事です。

見るべきは、その後どう出るかです。

頭から入れると確かに早いです。

ですが、その早さの代償として、出庫時に大きなリスクを背負う可能性があります。

逆にバック駐車は、入れる瞬間こそ慎重さが必要ですが、出る時の安全性は高まります。

しかも、実務でも日常でも、事故が起きやすいのは「気が緩んだ後」「終わったつもりの時」です。

休憩後、買い物後、用事を済ませた後、もう気持ちは次の行動へ向いています。

そんな時に死角だらけのバック出庫をしなければならない状態を自分で作る必要はありません。

だから駐車場では、「入れやすい」より「出やすい」で考えて下さい。

この意識だけでも事故は減ります。

まとめ

今回の事案は、縁石の存在を忘れた事による自損事故でした。

修理費用は10万円を超えます。

決して軽い話ではありません。

ですが、こうした事故は特別な人だけに起きるものではありません。

誰にでも起きます。

なぜなら、人は忘れるからです。

だからこそ運転は、忘れないように頑張るのではなく、忘れても事故になりにくい行動を選ぶ事が重要です。

その一つが、バック駐車です。

バック駐車は面倒に見えるかもしれません。

ですが、危険度の高い出庫時を前進に変えられる、大きな安全行動です。

駐車場では、バック駐車を基本にして下さい。

頭から駐車するのは、本当に必要な時だけでいい。

この感覚を持つだけで、自損事故も接触事故も減らせます。

運転が上手い人ほど、楽な方ではなく、安全な方を選びます。

駐車も同じです。

「今、停めやすいか」ではなく、「あとで安全に出られるか」

この視点を忘れないで下さい。

ここまで読んでいただきありがとうございます

▶【記事リンク集一覧】◀

コメント

タイトルとURLをコピーしました